洗濯機の使い方を見直して電気代・水道代を節約 科学的根拠に基づいた手軽なエコ活
洗濯機は家庭の隠れたエネルギー・水の消費源
日々の暮らしの中で欠かせない洗濯ですが、実は洗濯機は家庭内で使用する電気や水の量を無視できないほど消費しています。特に、電力においては冷蔵庫や照明器具に次ぐ消費量となる場合もあり、水道の使用量で見ても、お風呂に次いで洗濯機が多くを占めると言われています。
多忙な毎日を送る中で、洗濯機に手間をかける時間はなかなか取れないと感じるかもしれません。しかし、洗濯機の使い方を少し見直すだけで、無理なく電気代や水道代を削減し、環境負荷を減らすことにつながります。本稿では、科学的なデータに基づいた、手軽で効果的な洗濯機のエコ活を紹介します。
まとめ洗いの効果と具体的な節約額
最も手軽で効果が大きい洗濯機のエコ活の一つに、「まとめ洗い」があります。洗濯の回数を減らすことで、その都度かかる電気(洗濯機の運転、乾燥機能など)や水、そして洗剤の使用量をまとめて削減できます。
例えば、毎日洗濯する習慣を、2日に1回に減らした場合を考えてみましょう。洗濯1回あたりにかかる電気代・水道代を概算すると、以下のようになります。
- 電気代:1回あたり約2円~5円程度(機種やコースによる)
- 水道代:1回あたり約20円~30円程度(洗濯機の容量やコースによる)
これはあくまで目安ですが、洗濯機の運転にかかる電気代はそれほど大きくないものの、水を温めたり乾燥機能を使用したりする場合は電気代がさらに加算されます。一方、水道代は水量に大きく依存するため、洗濯回数が減ればその分直接的な節約につながります。
仮に1回の洗濯でかかる光熱費を30円とすると、毎日洗濯を週4回(2日に1回程度)に減らすことで、週に3回分の洗濯を省略できます。年間では約150回分の洗濯を減らすことが可能となり、年間約4,500円程度の節約になる計算です。さらに洗剤の使用量も減らせるため、その分のコスト削減も期待できます。
この「まとめ洗い」は、洗濯物を洗濯槽にある程度ためてから洗うだけなので、特別な手間はかかりません。忙しい方でも、洗濯頻度を少し見直すだけで、すぐに実践できる方法と言えます。
水量とコース設定で効率的に洗う
洗濯機の電気代・水道代を左右するもう一つの要因が、水量と運転コースの選択です。
洗濯機は、洗濯物の量に合わせて適切な水量を設定することで、効率的な洗濯ができます。洗濯物の量に対して水量が多すぎると、無駄な水を使い、攪拌効率も低下する可能性があります。多くの洗濯機には洗濯物の量を検知して自動で水量を設定する機能がありますが、手動で設定できる場合は、規定の量を超えない範囲で、洗濯物に見合った最低限の水量に設定することを意識すると良いでしょう。
また、運転コースの選択も重要です。標準コースだけでなく、「お急ぎコース」や「節水コース」など、洗濯物の種類や汚れ具合に合わせて適切なコースを選ぶことで、運転時間や水量を削減できます。
例として、以下のようなデータが報告されています。
- 標準コースと比べて、節水コースでは使用水量を約10%〜20%削減できる機種があります。
- 乾燥機能を使う場合、洗濯物の量や素材にもよりますが、電気代は洗濯運転の数倍から十数倍になることも珍しくありません。可能な限り自然乾燥を取り入れることで、大幅な電気代節約につながります。
こうしたデータからも、水量やコース設定を意識することが、電気代と水道代の節約に直結することがわかります。運転前に少し設定を確認するだけで取り組めるため、これも手軽なエコ活と言えるでしょう。
風呂の残り湯を活用する(選択肢として)
節水効果の高い方法として、風呂の残り湯を洗濯に活用することが挙げられます。これは一人暮らしでも実践可能ですが、風呂場と洗濯機の距離や、残り湯を汲み上げるポンプの有無など、環境によっては多少手間がかかる場合があります。
残り湯を洗濯に使うことで、1回の洗濯で必要となる新しい水の量を大幅に削減できます。特に、洗い工程に残り湯を使用し、すすぎに新しい水を使用することで、衛生面も考慮しつつ大きな節水効果を得られます。
例えば、1回の洗濯で約50Lの水を必要とするとして、洗い工程に残り湯を全て活用できた場合、その分の水道代が削減できます。毎日洗濯する方が週に数回残り湯を活用するだけでも、年間ではかなりの節約額になる可能性があります。
ただし、残り湯には皮脂汚れや雑菌が含まれているため、すすぎには必ず水道水を使うこと、また残り湯はできるだけ早く(その日のうちに)使うことが推奨されています。多少手間がかかる方法ですが、節水効果を重視する場合には検討する価値のあるエコ活です。
継続のためのポイント
ご紹介した洗濯機のエコ活は、どれも特別な設備や多大な時間を必要としない手軽な方法です。まずは「まとめ洗い」から始めてみる、次の洗濯時に「水量設定」を確認してみるなど、一つずつ取り組んでみてはいかがでしょうか。
これらの活動は、自分一人で完結できるものが多いため、ご家族に協力をお願いするのが難しいと感じる場合でも、すぐに実践できます。効果を実感できれば、自然と継続につながり、さらにはご家族にもエコ活動に関心を持ってもらうきっかけになるかもしれません。
まとめ
洗濯機の使い方を見直すことは、自宅で手軽に取り組める有効なエコ活動です。まとめ洗いや適切な水量・コース設定、そして可能であれば風呂の残り湯活用は、電気代や水道代の具体的な節約につながり、科学的にもその効果が期待できます。
これらの活動は、多忙な日々の中でも無理なく続けられるものがほとんどです。小さな一歩から、賢く効率的なエコ活を洗濯から始めてみましょう。