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自宅の契約アンペアを見直す賢い節約術 科学的根拠に基づいた無理のない固定費削減

Tags: 契約アンペア, 電気代節約, 固定費削減, 電力会社, 自宅エコ活

自宅でのエコ活動として、日々の電気の使い方を工夫することも大切ですが、さらに効率的に電気代を削減する方法の一つに、電気契約の「アンペア数」の見直しがあります。これは一度手続きをすれば、継続的な節約効果が期待できるため、多忙な方でも比較的取り組みやすい方法です。

契約アンペアとは何か

電気料金は、一般的に使用した電力量に応じた料金(電力量料金)と、契約内容に応じた固定料金(基本料金)で構成されています。この基本料金は、契約している「アンペア数(A)」によって定められていることが多いです。契約アンペア数は、自宅で同時に使用できる電気の上限値を示しており、数値が大きいほど同時に多くの電気機器を使えますが、基本料金も高くなります。

例えば、東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bプラン(2024年〇月時点)では、契約アンペア数によって基本料金が以下のように設定されています(料金は例であり、最新の情報は電力会社の公式サイトをご確認ください)。

| 契約アンペア数 | 基本料金(月額目安) | | :------------- | :------------------- | | 10A | 286円 | | 15A | 429円 | | 20A | 572円 | | 30A | 858円 | | 40A | 1,144円 | | 50A | 1,430円 | | 60A | 1,716円 |

このように、契約アンペア数を下げることで、毎月必ずかかる基本料金を削減できるという科学的根拠に基づいた節約方法です。

契約アンペア見直しのメリットとデメリット

メリット

デメリット

適切な契約アンペア数の選び方

自宅に必要な契約アンペア数は、同時に使用する可能性のある電気機器の合計消費電力によって決まります。主な家電の一般的な消費電力目安(W)と、それらをアンペア(A)に換算した目安は以下の通りです(W ÷ 100V ≒ A)。

| 家電製品 | 消費電力目安(W) | 電流目安(A) | | :--------------- | :---------------- | :------------ | | エアコン(冷房) | 500W~1500W | 5A~15A | | 電子レンジ | 1000W~1500W | 10A~15A | | ヘアドライヤー | 1000W~1200W | 10A~12A | | ドライヤー | 1000W~1200W | 10A~12A | | アイロン | 700W~1400W | 7A~14A | | 炊飯器 | 700W~1200W | 7A~12A | | 電気ケトル | 1000W~1300W | 10A~13A | | 掃除機 | 500W~1000W | 5A~10A | | テレビ | 50W~200W | 0.5A~2A | | 冷蔵庫 | 100W~300W | 1A~3A | | 照明器具(LED) | 10W~50W | 0.1A~0.5A |

ご自宅で「普段、最も同時に使うことが多い時間帯」を想定し、その際に使用する家電の電流目安を合計してみてください。その合計値より少し余裕を持たせたアンペア数が、適切な目安となります。

例: 夕食準備の時間帯に、電子レンジ(15A) + 炊飯器(12A) + 冷蔵庫(1A) + 照明(0.5A) + テレビ(1A) を同時に使うことが多い場合: 合計約 15 + 12 + 1 + 0.5 + 1 = 29.5A

この場合、30A契約であれば問題なく使用できる可能性が高いと考えられます。もし現在40Aや50Aで契約しているなら、30Aへの見直しを検討できます。

計算のポイント: * エアコンは起動時に大きな電流が流れることがありますが、これは瞬間的なものなので、常時使用する電流を基準に考えます。 * IHクッキングヒーターや浴室乾燥機など、特に消費電力の大きな家電は、他の家電との同時使用を避ける、あるいはそれらの使用を考慮したアンペア数を契約すると良いでしょう。 * 電力会社のウェブサイトなどで、より詳細な家電ごとの消費電力や、必要なアンペア数の目安計算ツールが提供されている場合がありますので、参考にしてください。

見直し手続きの具体的なステップ

  1. 現在の契約内容を確認する:
    • 電気の検針票、または電力会社のマイページで現在の契約アンペア数を確認します。電力メーターの種類によっては、契約アンペアが書かれたり色分けされたりしているブレーカー(アンペアブレーカー)が設置されている場合もあります。
  2. 必要なアンペア数を検討する:
    • 前述の方法で、ご自宅での電気の使い方に合わせた適切なアンペア数を検討します。
  3. 電力会社に連絡する:
    • 契約している電力会社のコールセンターに電話するか、ウェブサイトの専用フォームやマイページから契約変更を申し込みます。「契約アンペア数を〇Aに変更したい」と伝えます。
  4. 工事の有無と日程を確認する:
    • 契約アンペア数の変更には、原則として電力メーターやブレーカーの交換が必要になります。ただし、最近設置が進んでいる「スマートメーター」の場合は、遠隔操作で変更が可能なため工事が不要なケースが多いです。工事が必要な場合でも、多くは無料で行われ、通常は立ち会いも不要です。工事の日程を調整します。
  5. 変更完了:
    • 工事が完了(またはスマートメーターでの遠隔操作が完了)すれば、翌月以降の電気料金から新しい基本料金が適用されます。

リスクを減らすための対策

契約アンペア数を下げた後にブレーカーが頻繁に落ちる場合は、生活に支障をきたす可能性があります。そのような場合は、改めて電力会社に連絡して元のアンペア数に戻すか、少しアンペア数を上げる手続きが可能です。変更には費用がかからない場合が多いですが、念のため事前に確認しておきましょう。

また、同時に多くの家電を使用しないように、時間帯をずらすなどの工夫も有効です。特に消費電力の大きい家電(電子レンジ、ヘアドライヤー、アイロン、ドライヤーなど)を同時に複数使用する際は注意が必要です。

まとめ

自宅の契約アンペア数の見直しは、電気の基本料金という固定費を削減できる、科学的根拠に基づいた有効な節約方法です。一度適切なアンペア数を見極めて手続きをすれば、継続的な節約効果が期待できます。ご自宅の電気の使い方を把握し、無理のない範囲で最適なアンペア数に見直すことで、手軽にエコ活動と家計の節約につなげることができます。